コパアメリカ チリ戦を見て、久保建英、レアル移籍、将来への不安 [スポーツ理論・スポーツ批評]

今日の試合を見て、久保建英について、ちょっと不安に思ったことを忘れないように書いておこうと思う。ツイッター上に「今日の久保は、アルゼンチン代表でのメッシみたいな感じで苦しんでいた」という感想があって、それは僕も感じていたことなのだ。
 あと、この前、「(韓国、FIFA U20 MVPの)イ・ガンインは中村俊輔タイプだが、久保はちょっと違うタイプ」と書いたとき、実は「香川真司タイプ、ドルトムント・クロップ時代の全盛期、香川真司タイプ」と書こうかなあ、とあのとき思ったのだけれど、ちょっと自信がなかったので、(そんなに久保のプレーをちゃんと見ていないから)、もやっとごまかしたのだが、今日のプレーを見て、やはりそうなんではないかと思った。
 バルセロナのメッシや、ドルトムント全盛期の香川というのは、すごく点を取ったけれど、いわゆるセンターフォワードのように点を取るわけではなく、また、たった一人ですべてを打開するわけではなく、(メッシなんかはそうしているように見えるけれど)、球は触っていなくても、まわりが連動して動いている中で、得点シーンを作り出すタイプの選手なんだよなあ。中盤で一回、ボールを受ける→そのままドリブルする、としても周りはメッシと連動して駆け上がりながらいろいろポジションを取る。初期全盛期は、シャビやイニエスタや、もう一人のアタッカーやダニオアウベスが。MSN時代だとネイマールとスアレスが。
 今期のクロップ、リバプールが、フィルミーノを真ん中で気の利く、スペ-スづくりのフォワードにすることで、両ウイングのマネとサラーが鬼のように点を取るっていう、そういう「チームとしての仕組み」の中で、点を取るタイプ。
 クリスチャーノ・ロナウドのようにシステムと関係なく、本当に一人で点を取るとか、アグエロのように、一番、前にいるから、とにかく俺に入れたらなんとかするぜ、みたいなタイプの選手ではないんだよな。久保もメッシも香川真司も。

 だから、周りの選手のシステムが機能しない代表のアルゼンチンのメッシ、マンチェスターUに移籍した香川が苦しんだのは、そういう仕組みがないところで、一人で頑張れ、一人で打開して点を取れるだろうって期待されてしまうからなんだよな。
 メッシは、一見、どれだけ一人ですべてを打開しているように見えても、実は「周囲3人4人がオートマティックに連動する中で、あたかも一人ですべてを打開しているかのように点を取る」選手なんだと思う。
 スアレスは、ものすごく頭の良い選手で、バルサに行ってから、そういう風にメッシを活かすための動きをとてもよくしてくれていて、それが先日のウルグアイ代表の試合でも出ていたんだよな。

 久保はバルセロナのユースで、そういうサッカーを体に入れてきたわけで、レアルに行って、周りがそういう風には動かない中で、実力が発揮できるのかな。

 日本代表でも、基本的に鹿島出身のフォワードって、柳沢、鈴木の昔から、大迫まで、そういう中盤の選手か点を取るための動きがすこく上手い。
(日韓ワールドカップの日本代表の得点は、ほとんどがMFの得点だけれど、そのまたほとんどが柳沢との連携で生まれている。柳沢が怪我で欠場したトルコ戦で、いきなり攻めが機能しなくなった。)
大迫がいて南野がいて、そしてサイドから酒井宏樹が気の利いた上下動をしてくれてっていう中でなら、久保も代表で結果が出せると思うけれど、今日のような状況では、なかなか厳しい。今日、そういう形でシュートまで持って行けたのは、後半一回だけ。前半、個人技できれいに抜いてチャンスを作ったのが一回あったけれど、そのあと、周囲が誰もいなかった。DAZNの出したスタッツ見ても、一対一の勝率は中島の方が高かった。

 俊輔やイ・ガンインは、基本的に「仕組みを作る側」の役目を果たせば評価される選手なわけだけれど、久保やメッシや香川は、(実は仕組みを利用しながら)、あたかも仕組みが関係ないかのように、自分で点を取らない限り、評価されない選手、なんだよね。
 イ・ガンインや俊輔は、「仕組みづくり+コーナーキック+フリーキック」全体で、何点得点に絡んだか、で評価OKなんだけれど、メッシや久保や香川は「システム利用しながら、自分で打開して何点取ったか」でないと、評価されない選手なの。

 そういう意味で、久保を世界にアピールするならば、周りの仕組みがオートマチックに動く「大迫 南野 堂安 酒井宏樹 柴崎」システムの、堂安の替わりに入れてあげるようにしないと、「久保すごい」っていう結果は、なかなか出ないと思う。
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