「反緊縮リベラルと反緊縮保守」の遠い未来。AI&BIに向けた立ち位置について。

女子ワールドカップ決勝とコパアメリカ決勝の間に小一時間、スキマ時間があるので、ツイッターで見つけた下に引用したマトリクスをもとに、「近視眼的選挙分析」ではなく、人類史的視野で、MMTをめぐるふたつの立場について考察してみます。

MMT四象限.jpg

ちなみにこのマトリクスは
池戸万作氏 ツイッターアカウント「池戸万作@mansaku_ikedo令和初の政治経済評論家です」という方が作成したものと

それにTSさん、ツイッターアカウント「T. S.@tstateiwa
浪人。高齢者医療・介護、日本経済・経済学などに関心。」
という方が政党名、個人名を追加したものです。

MMT四象限 党名人命入り.jpg

ここから私の考えたこと。
 
⑴『ホモ・デウス』とか『『父が娘に語る 美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』 で語られているように、「AIが自己進化するほど高度化し、それを開発したり利益を受ける側(AIと一体化する側)と、そうでない側の格差が極端に開く未来」が来る、2050年くらいまでに来る、といったん想定します。(超・人類、おそらく死なないし、超人間的能力を獲得する側と、死ぬべき運命の、いままで通りの知的肉体的限界を持つ人類に二極分化する。)

②そこまでAIが進化すると、人間が必要とするものはAI・マシン一体化したものが自動生産するようになりますから、人間の労働は、ほとんど必要なくなります。

③そうしたAIを開発した存在(国家や企業)が、善意をもった存在の場合、人類全体にベーシックインカムや、生存に必要な物資を配給するようになるので、人間のやることは、芸術や相互コミュニケーションなど、古代ギリシャの市民(奴隷にめんどくさいことをやらせていた)のようなものになります。

④しかし、AIを開発して人類以上の存在に進化した少数者が、なんらか悪意をもった存在だった場合には、世界は映画マトリックスのような世界になり、大多数の人類は、少数の「AI一体化進化した人類」の利益のために、なんらか奴隷的存在に落ちることになります。

※こうした超進化AI的存在の支配から独立・距離を取った「鎖国的」「ユートピア的」「反進歩・反成長」的生き方が、個人としても国家としても可能か、という議論はありますが、私は、おそらく不可能であろうと思います。

⑤ 未来が③になるか、④になるかは、AIを開発する競争者(企業や国家)を、人類が倫理的にコントロールできるかどうかにかかっているわけですが、そもそも、その開発競争に参加しているかどうかによって、その影響力が変わってきます。

⑥今、この開発競争は、米国、中国、および国家ではなくGAFAのようなグローバル巨大企業がリードしており、日本は国家としても企業としても、その競争からほぼ脱落しています。

さて、下の、MMTをめぐる政治的ポジションの下二つは、そこに至るまでに、日本人がどのような立場になるべきかを示唆しています。

より説明的に言い換えると、AIと一体化する「開発者」側に立つ可能性を日本人、日本企業も追求すべきと考えるかどうかで選択するポジションが変わってきます。

左下は「他国に開発は任せて、善意によってコントロールされることを期待する。その倫理的コントロールの国際政治にのみ参加する」という生き方を、国家としてとることになります。

一方、右下は、「軍事予算を自国自前でのAI技術開発に投資することで、AI超進化競争に、日本も一枚かみ続け、そのことにより、Aiの倫理的コントロール意思決定に、より積極的に関与しよう」という立場をとることになります。

現代の最先端技術開発は、GAFAや中国巨大企業のような国家予算を超える巨額の研究開発投資をしているごく少数の企業と、
それに対抗しようとした場合には、国家予算・軍事予算をもって開発している米国、イスラエルなどの「軍事予算科学研究国家」でないと、競争できないのが現実です。
 日本がAIの超進化において重要なプレーヤーであり続けようとしたら、新しい「富国と強兵」路線を取らさせるを得ず、それはMMTによる財源制約を緩めた大胆な投資なくしては実現しない、ということで、中野剛志氏の著作のタイトルが『富国と強兵』というのは、そういう文明史的大局的視点から日本の進み方を考えたら、そうするしかない、と考えているのだと思われます。

左下の「反緊縮リベラル」の立場は、AIの進展によりBI(ベーシックインカム)を実現する論、その場合、AIを開発する存在は善意の他国,他者を期待するという意味で、受動的かつ楽観論的人間観を持っていないと成立しないと思われます。

私は経済政策的には、はっきりと「反緊縮」が正しいと考えますが、AIの進化による人類の究極の二極化の未来を考えた時に、左下ポジションを取るべきか、右下ポジションを取るべきかについては、結論を出しかねています。


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