城志郎勝った。について考えたこと。 [スポーツ理論・スポーツ批評]

Facebookに投稿したものを転載。

柔道世界選手権二日目の感想。

柔道世界選手権、優勝した丸山城志郎と中高4年間、桐蔭学園柔道部で同期だった三男と応援に武道館に行ってきました。
(四年間と中途半端な長さなのは、城志郎が、中3で相模原の強豪、相原中に一年間転校。高校で桐蔭に戻ってきたものの、高3で沖学園に転校したため。少しでも練習環境に不満なら躊躇なく転校しちゃう勝負の鬼の親子だった。ちなみにお父さんはバルセロナオリンピック代表、今日もテレビに映ってた。)

城志郎が阿部一二三に勝ったときには、私は絶叫、うちの三男は泣いていました。城志郎には一歳年上の兄、剛毅くん、(81キロ級の世界ジュニア王者、シニアでも階級の日本王者になっている)がいて、三男は高校時代、剛毅くんの付き人をずっとやっていたので、丸山兄弟の毎朝の自主練習に一緒にくっついてやっていた。城志郎のことはずっと近くで見ていたので、感極まったのでしょう。

ちなみに決勝の対戦相手、韓国のキムリーマンは、在日三世で、相模原の相原中の一年先輩。中学時代の同門、先輩後輩対決。

ツイッター上には今の日韓関係から、心ない書き込みもありましたが、昔からの仲間同士の、正々堂々とした気持ちの良い決勝でした。キムリーマンと城志郎が中学同門なのは柔道関係者には知られていることですから、フジテレビは、こんなご時世だからこそ、ちゃんとコメントしてほしかったな。

決勝は城志郎はリラックスしてのびのびやっていたので、見ていて不安はなかった。それでも優勝の瞬間は、私はまた絶叫、三男はまた涙。

 あと、阿部の3位決定戦、相手のイタリア、ロンバルドのゴールデンスコア延長での一本(抱き分かれという技)がビデオ判定で取り消されたのは誤審というのが私の印象。少なくとも技ありはあり、その時点でロンバルドの勝ち。会場現地でもブーイングが海外勢のファン、応援団からかなり大きく出ていた。地元びいきの汚い判定と批判されても仕方がない。ロンバルドは世界ジュニア王者で、パリグランドスラムで阿部に勝っている。阿部は、丸山に三連敗、ロンバルドにニ連敗でメダル無しで終わったら、五輪代表争いから大きく後退することになり、大人の事情(JOCの五輪シンボルアスリートとなり、多くの広告主の広告塔になっている。)で、それは避けたい圧力がビデオ判定に働いたのではと勘繰られても仕方ない。(追記 日本唯一の柔道専門サイト ejudo 編集長 昨日も会場で解説をしていた古田英毅氏も、同サイト記事において、明らかに一本があったと書いている。)
 とはいえ、阿部本人には何の咎もない。試合後、阿部が悔し涙を流していたのは、丸山に負けただけでなく、ロンバルドとも判定次第では負けと言われても仕方ない内容だったことを、自分自身がよく分かっていたからだと思う。

阿部一二三本人は、柔道はめちゃくちゃ強いが、髪形も気になる、かっこもつけたい、柔道のこと以外は、そんなに深く考えない、いまどきの若者。そこがいいところだったのに、JOC、電通、そういうオリンピックを盛り上げて商売にしたい大人たちが、阿部一二三に、背負わなくてもいい重圧を背負わせている。これは、本当に可哀そうなことなのではないか。五輪シンボルアスリートの自分が、負けて、五輪代表を逃すことなどあってはならない。取材だの撮影だの、練習以外の雑事にも引っ張りまわされる。いままで私は「メディアも全柔連も、阿部がすでに代表に決まったかのように扱う」ことを、城志郎応援の立場から批判してきたが、阿部一二三側の立場にたっても、それは20歳そこそこの若者に、背負わなくてもいい負担、重圧を押し付けているのではないか。そこから解放してあげて、とにかく、勝負に集中できる環境を作ってあげるべきではないかと思います。

 そんな中、妹、阿部詩は、異次元の強さでした。

三男が阿部兄妹に共通する、かなり特異な、他に類のない技術的特徴を観戦しながら解説してくれたので、それは今度ブログに書こうかと思っています。


この投稿に電通先輩Nさんからの質問
「よく知らなかったけど、遅咲きだというので丸山選手を応援してました。最初に投げを食ってかろうじて足で着地して、だいぶ痛そうだったけど、中盤からは痛みが消えたのかアドレナリンが出たのか、急に体が前に出るようになって勝つ雰囲気が出てきたように見えました。」

それへの私の回答
「 あまりにドラマチックな試合でしたが、なんで急に動けるようになったか、私はこう想像しています。膝の①内副側靭帯を痛めた(が断裂はしていない)と同時に、②昔断裂して手術した十字靭帯の古傷が痛んだのだと思います。私も十字靭帯古傷と、手の親指靭帯損傷古傷を持っていて、何かの拍子にぐきっとやってしまうと激痛でしばらく動けないのですが、あれ、しばらくするとなんとか動けるようになるんです。「靭帯断裂」なら、もう動けないですが、古傷再発激痛だと、そうなんです。そうであるにせよ、激痛の数分間を、指導を2個で、相手の技も食わずに耐えきるのは常人のできることではありません。そういえば、私と三男は、城志郎が十字靭帯断裂の大けがをした何年か前の東京グランドスラムも二人で観戦応援していました。三男は内副側靭帯の完全断裂もしていますが、十字靭帯と違って、うまく治療すると、手術をしなくても回復、再建するのです。今回の優勝で、年末の国内のグランドスラム(大阪)で、城志郎が優勝すると、おそらく五輪代表に内定すると思います。それまでに膝を完治させてほしいなあ。」
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