結果は素晴らしかった。が、それでも、やはり、選んでおいた方が良かったのでは、という選手と、その理由。 [スポーツ理論・スポーツ批評]

Facebookのラグビーコミュニティで、「これだけ成績良かったんだから、事前にジェイミーの選手選択に文句垂れていた人は、総括すべし。」という意見が書かれていたので、書きます。投稿された方も、「そういう議論を理論的にきちんとすることで、初心者も、ラグビーを見る見方が豊かになるし、トップリーグを見るときに、今大会の代表だけでない、いろいろな選手がいることを知る機会にもなるから、という建設的な意図で書かれているので、それにこたえようとしたら、とんでもなく長くなったので、ブログに掲載します。



まずは自己紹介。私自身はラグビー未経験。単なる観戦ファン。
①神奈川在住、子供二人が桐蔭学園出身(本ちゃんのラグビー部ではない。一人は柔道部。もうひとりは桐蔭学園兄弟校 桐蔭中等教育学校のラグビー部出身)、次男は、県内の別の中高ラグビー部。中学時代はスクール選抜候補、高校では関東新人戦に出ている。花園はここ15年ほど、毎年、Jスポーツで1回戦から、全グラウンド全試合テレビ観戦している高校ラグビーファン。桐蔭出身の選手には、やはり特別な思い入れがある。しかし、花園で、そのほかの学校でも、いい選手を見つけるのが楽しみ。松島幸太郎のことは高校一年の神奈川県予選の初戦から、ビデオで撮影して分析している。(次男と対戦の可能性があったから。)。山中のことは東海大仰星のときからファン。

②大学ラグビーは、特にどこのファンということはないが、判官びいきで、ここ最近の帝京全盛期には、「アンチ帝京」、帝京に立ち向かう大学を応援していた。高校ラグビーで気に入った選手が活躍するのを楽しみにいろいろな大学を応援していた。対抗戦中心に見て、リーグ戦は東海の試合は欠かさずチェック、関西の試合まではなかなか手が回らない。ということで、好きな選手は関東の有力校の選手に偏りがある。アンチ帝京の気分がちょっと入ってしまう。

③トップリーグでは、トニーブラウン現役時代からのサンヨーファン→現在もパナソニックファン。ダン・カーターが来てからは、流石に神戸製鋼の試合も、欠かさず見るように。なんとなく、パナソニックを応援するということは、「アンチ・サントリー」な気分で見ていることが多い。

④スーパーラグビーもここ10年ほど、NZのチームを中心に、オンエアされる試合の半分くらいは観ている。北半球ハイネケンカップよりスーパーラグビーが好き。
⑤シックスネーションズとトライネーションズ→チャンピォンシップはずっと欠かさず全試合見ている。それ以外の主要国テストマッチも、Jスポーツ、DAZNで視聴可能なものはほぼ全試合見ている。

という感じで、年間200~300試合くらいをTVで見ている、TV観戦中心のラグビーファンです。好きなチーム、アンチなチームがあるので、当然、ジャパンに選びたい選手も、「好み、バイアス」がかかっています。が、単なる感情論でない理由を説明して、というご要望なので、説明します。

ちなみに、今大会、日本戦は、開幕戦ロシア戦以外、アイルランド戦、サモア戦、スコットランド戦、南ア戦、、スタジアムで観戦しています。


大会前から、私はジェイミーの選手選択にはいくつか不満があって、

山田か(藤田)、立川、山澤(か小倉順平)をスコッドに入れておいてほしかった。松田は大好きだけれど、センター、フルバックで起用するのは良いが、スタンドオフの二番手という起用は疑問。というのが、大会前の僕の希望、主張でした。Facebook個人ページではずっとそう主張していました。遡って読んでもらえれば、出てくると思います。

理由をちゃんと説明せよ、というのがご要望なので、説明します。

ウイング 山田 問題。
前回大会スコットランドに苦杯をなめさせられ、今回もグループリーグ最終戦がスコットランド。ここに勝負がかかることが予想された。
レイドローからウイングへのキックで徹底的に攻められた前回のことを考えると、今大会は、ウイングのハイパント、キックキャッチ・処理能力が絶対条件。アイルランド戦も同様の課題が出ることは必至。福岡、山田は、明らかに前回大会の悔しさから、この4年間、その能力を磨いてきた。藤田はそもそも身長もある。かつ、大舞台に強い。レメキは、攻める走力、前に向かう守備力は高いが、後ろに戻っての守備、ハイボール、キック処理はあまり強くない。レメキを外せとは言わないが、大会前に急遽数試合、試しただけのモエアキオラをスコッドに入れるなら、山田を入れておくべき。モエアキオラはたしかに今季チーフスで活躍したし、身長は高い(185cm)が、代表としての経験不足だし、ハイボールキャッチも不安定。ジェイミーの「体格優先、外人優先」選択癖としか思えない。(キックキャッチ能力が身長の問題でないのは、福岡、松島を見れば分かる通り。)結果論だが、結局モエアキオラは本番では「やぱり使えない」判断になった。山田がいれば、福岡、山田をウイングにして松島フルバック、という布陣で戦える時間が作れたはず。松島フルバックで福岡と距離が近い状態になった時が、ジャパンの得点力は最も高まる。

スタンドオフ二番手としての「山澤or小倉順平」選んでおくべき問題。
田村がスタンドオフの絶対的存在なのは、直前のテストマッチでもPNCでも明らかなので、それは問題ない。文句なし。しかし、スクラムハーフ3人に対し、純粋なスタンドオフが一人だけ、という選手選択は明らかにアンバランス。松田を、スタンドオフもセンターもフルバックもできるユーティリティプレーヤーとして置いてあるから大丈夫かというと、スタンドオフとしては、苦しいのでは。パナソニックでも、最近はほぼフルバックとしてしか出ていない。パナソニック内序列として、山澤の方がスタンドオフとしては上だったはず。昨シーズントップリーグ順位決定最終戦、山澤が怪我で不出場、松田がスタンドをして敗れた試合もしっかり見たが、スタンドオフとしての創造性、ゲームメイク力が、国内のトップリーグの試合でも、松田はしんどかった。トニー・ブラウンコーチもそのことは分かっていたのではないか。(松田はナイスガイだし、リーダーシップもあるし、チームに必要なことに異論はない。)
ワールドカップ本戦、ジャパンが大きくリードをしていての、終盤、守備力強化のために、タックルの強い松田を田村に替える、というのはありだが、リードされていて追いつかなければいけないときに、田村→松田の交代では、攻めの形が単純になり、戦えない。逆転に持ち込める可能性が低下する。
 田村が疲労やケガの場合の試合終盤の「攻撃のバリエーション、創造性」アップを考えると、山澤、または小倉順平という、サンウルブズで世界の強豪相手にも試してみた「天才型」のスタンドオフを、スコッドには入れておくべきだったと思う。たしかに彼らは体も小さいし、タックルも松田よりは弱いが、攻めに変化をつける能力は、田村と互角だと思う。今回の南ア戦、田村が引っ込んだ後、スタンドオフができるのが松田だけ、というのは、やはり苦しかったのではないか。

インサイドセンター 立川問題
立川を入れておいた方が、というのも、タックル、突破の強さだけでなく、(その能力であれば、中村亮土は、現在の田村よりも強力だと思うので、その選択は間違いではないと思う。)しかし、田村からの攻撃が抑えられたとき、インサイドセンターとして、自らの突破力だけでなく、パスのスキルが高いことから、「田村がダメだった時の攻めのバリエーション」を増やす、ウイングを活かすところまでのパススキルということで、立川は必要だったのではないか。

9番10番どちらかが、攻めの創造性が高くないと、攻めは形にならない。今回のジャパンは田村にその点を大きく依存していた。田村が徹底的に狙われる、壊されるという事態になったときのオプションとして、山澤、小倉順平、立川というのは必要な選手だったと思う。(サントリーファンの私の友人は、その機能として、「小野晃征!!」とずっと言っていた。やはり、最終的には、ファンとしての、好み、感情論になるのです。)



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