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日産はなんで日産ていうの? ルノーと日産、フランス政府と安倍さんの意地の張り合いになるのでは? [閲読注意]

都市伝説、「信じる信じないはあなた次第」の話として読んでね。JOC竹田会長をフランス政府が、というニュースが流れた翌日に書きました。公開しようかどうしようか、しばらく躊躇していましたが、今日、フランス政府がルノーと日産の経営統合を要求というニュースが流れたので、やっぱり公開することにしました。

「日産はなんで日産ていうの」

55年もぼーっと生きてきて、知らなかったことがいっぱいあるので、今になって知ってびっくりの知識をみなさんにも伝えていきます。知識の出どころは、当然のようにググる→wikiを見る、というのが中心です。学生のレポートにwikiはダメよって言われますが、これは学生のレポートじゃないので許してください。

 僕は1988年に電通大阪支社を入社三年で辞めて、東京にもどってきてぶらぶらしていた。そこをマーケティング会社シナリオワークの岩崎社長に拾われて、デスクをただで貸してもらい、東京電通の仕事を紹介してもらって、フリーランスとして東京の電通との仕事をはじめた。そのいちばん最初の仕事が、日産の仕事。
 当時はまだ日産の広告が博報堂一社独占になる前で、車種によって、電通、博報堂が扱いを分け合っていた。博報堂一社独占が発表になる前日まで、僕は電通チームとして日産にプレゼンをしていた。(電通の人間は、当然、誰一人、そんなことが起きるとは知らなかった。大事件でした)
 そんなお世話になった日産が、なんで「日産」という名前なのか、実は、今回のゴーン逮捕事件まで、全然知らなかった。今回、いろいろ調べて知った、日産の名前の由来。それが、「ゴーン逮捕」や、その他もろもろと、こんな関係があるんじゃないの、という話を書きました。

ゴーン会長の逮捕に関して、いくつか言われている疑問、ものの見方で
① ルノーはフランス国営会社、というか、フランス経済界の中心的代表企業なので、ゴーンさんをあんな風に逮捕して仮釈放も認めず、逮捕容疑小出しにしながらずーっと拘留し続けているのは、日本とフランスの外交関係にも悪影響を及ぼすんじゃないかと、と言われていた。
②ゴーンさん逮捕に関しては東京地検特捜部が動いており、東京地検特捜部といえば、政治がらみのややこしい事件を扱う部門ですから、これは経産省も官邸も了承済みで動いているんじゃないの、と言われている。
③そこで、注目されるのが、日産という企業のそもそもの成り立ち。ということで、ここからwiki参照、となるわけですが。
日産の創業者は鮎川義介。以下鮎川義介のWikipediaから引用
「1928年(昭和3年)、義弟・久原房之助の経営する久原鉱業の社長に就任し、同社を日本産業(日産)と改称。久原鉱業は、当時は、第一次世界大戦後の恐慌と久原の政界入りで経営破綻に瀕していた。立憲政友会の田中義一(元陸軍大将)らの再建の懇請に鮎川は渋々応じた。会社を持株会社に変更し、公開持株会社として傘下に、日産自動車・日本鉱業(同年12月、日本産業株式会社に社名変更)・日立製作所・日産化学・日本油脂・日本冷蔵・日本炭鉱・日産火災・日産生命など多数の企業を収め、日産コンツェルンを形成。
1934年(昭和9年)、自動車製造株式会社を日産自動車製造株式会社と改称。同年『ドイツ系ユダヤ人五万人の満洲移住計画について』と題する論文を発表。5万人のドイツ系ユダヤ人を満州に受け入れ、同時にユダヤ系アメリカ資本の誘致を行うことにより、満州の開発を促進させると共に、同地をソビエト連邦(ソ連)に対する防壁とする構想を、ユダヤ専門家として知られる陸軍大佐・安江仙弘[注釈 2]、海軍大佐・犬塚惟重、関東軍のいわゆる「大陸派」(満州進出を求めた多くの軍閥)に立案した(のち河豚計画へと展開する)。これにより、関東軍の後ろ盾を得る。南満州鉄道(満鉄)の理事だった松岡洋右[注釈 3]ものちに河豚計画に参加。
1937年(昭和12年)、野口遵、森矗昶など当時の「財界新人三羽烏」の一人として[6]、満州国の経済運営で巨大な満鉄が影響力を持つことを嫌った関東軍の求めに応じ日本産業を満州国に移し、満州重工業開発株式会社(満業)として初代総裁・相談役に就任。同時に満州国顧問・貴族院勅撰議員・内閣顧問を兼務した。当時の満州国の軍・官・財界の実力者弐キ参スケの1人とされた。弐キ参スケとは東條英機(関東軍参謀長)・星野直樹(国務院総務長官)、鮎川義介、岸信介(総務庁次長)、松岡洋右(満鉄総裁)である。鮎川・岸・松岡の3人は満州三角同盟とも称された。」
じゃーん、ということで、満州における国策会社「日本産業」が、日産の前身なんですね。岸信介と鮎川義介、満州のサンスケのうちのお二人さんだったのです。
さらに言えば、鮎川さんは
明治13年(1880年)、旧長州藩士・鮎川弥八(第10代当主)を父とし、明治の元勲・井上馨の姪を母として山口県吉敷郡大内村(現在の山口市大内地区)に生まれた。
そう、岸→安倍首相地元、長州人脈の一人。長州→満州いらいの長く深い縁があるのが、日産自動車なんですね。
つまり、ルノーがフランス国営国策会社であるのと同様、岸→安倍家的に言うと、日産は、縁の深い満州国策企業の中心的存在なんですね。
 ゴーンさんがフランス国策企業ルノーの代表として、日産をフランスのものにしてしまおうという流れに対して、日本という国として、満州以来の国家代表企業、日産を守りたい、という動き、その対決という見方をする人がいるようです。
 もちろん、「つながり」については特に根拠もない都市伝説です。今のところ。ただし、日産の起源が満州国策会社なのは事実。岸信介と鮎川義介に深いつながりがあったのも事実。

 なんて思っていたら、昨夜のこと。
JOC竹田恆和氏を、フランスが調査、訴追か、というニュースが流れ、これがゴーンさん逮捕長期拘留の意趣返しでは、という憶測が一部に流れたのですが。単なる憶測ではあるわけですが、
 竹田恆和氏の息子さんといえば、ご存知、「明治天皇の玄孫」右翼文化人として有名な竹田 恒泰氏。その竹田恒泰氏が、ツイッターでこんな発言をして話題になっています。「JOCの案件は2年以上前から捜査されていて、結局犯罪を証明するものはまだ何も出ていない。この時期にフランスがこれを蒸し返してきたということは、ゴーン逮捕の報復と見るのが普通だろう。」
 ところで、今晩第二回目放送の、NHK大河ドラマ「韋駄天」は、戦前の幻の東京オリンピック招致前夜を舞台にした「オリンピック盛り上げドラマ」なわけですが。(宮藤官九郎脚本で、僕はクドカンファンなので、第一回目もおおいにたのしんだわけですが、)。
 竹田家。オリンピックとのかかわりは竹田恆和氏のお父さん、竹田恒徳(宮)も、なんとJOC会長にしてIOC委員。1964年東京オリンピックの時のJOC会長なんですね。JOC会長、世襲されている!というのもびっくりであります。ぼーっと生きてきたので知らなかった。
 そして、この竹田恒徳(宮)も、実は満州人脈のおひとりなんですね。満州の軍隊と言えば、関東軍なわけですが、1943年から1945年7月という、終戦間際までなんと関東軍の参謀をしていたのです。もっといろいろ深い話は興味を持たれたらお調べください。どんな部隊に関わっていたかを知ると、歴史の闇を思い知ります。相当本当にいろいろ怖いです。
 JOC会長竹田氏フランスが捜査、というニュースが、満州人脈の話とつながるんですね。満州人脈、つまり岸信介、安倍総理のおじいさんと。そして、東京オリンピックは安倍総理何よりこだわりの、そこまでなんとしても日本の総理でいたいという、イベントなわけです。
 東京地検特捜部が動いてゴーン逮捕 日産といえばもともと満州の国策企業。フランスと日本(支配層旧満州人脈)の意地の張り合いか?と言ってたら、突然の、「フランスがJOC竹田会長を捜査」ニュース。その竹田氏のお父上もJOC会長だっただけでもびっくりなのに、元満州関東軍参謀、つまり岸信介と深いつながりのお方とわかり、二度びっくり。
 なんていうのは、ただの考えすぎ。このふたつの事件には、何のつながりもなくて、それぞれ独立した経済事件と、オリンピック招致がらみの買収疑惑事件、だとすると・・・・
 存在もしない「陰謀論」を類推させてしまうほど濃く、旧満州支配層という狭い深い人脈が、戦後70年たっても、日本の上層部に脈々とつながっているということになりますね。その方が、もっとびっくりかもしれません。








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苫小牧での地震。都市伝説?陰謀論?主張している人は怪しいが、事実はどうなんだろう。 [閲読注意]

苫小牧での大地震を、原因根拠を挙げて予想、警告していた人がいます。
 その人物(石田昭氏)が、専門の地震についての研究以外では、トンデモ科学と陰謀論まみれの、非常に怪しい人物であり(幸福の科学の幸福実現党から選挙に出たりもしています。)、地震関連でも学会主流派にからはトンデモ学説として相手にされていません。よって、マスメディアで取り上げられたことはほとんどありません。

 紹介するブログは、そうした事情はひとまず横におき、地震発生メカニズムについての理論と、具体的第三者的に確認できる事実のみから、この予想的中と、その根拠となっている事象について、注目に値するのでは、として取り上げているようです。

①アメリカでいくつも研究、論文が発表されている通り、石油や天然ガス採掘、工業廃水処理のために、地下に不用意に高い圧力を掛けて、液体その他を圧入することが、人工的に地震を引き起こす元になることは科学的事実として認知されている。アメリカで過去ほとんが起きていない地域で、このような工事が行われた直後に地震が頻発し、工事を中止すると地震が止まることが確認されている。

②日本においては、20年ほど前から、温暖化対策のための、CCSという技術の開発、実証実験が行われている。CCSとはCarbon dioxide Capture and Storageの略であり、火力発電所や製油所、製鉄所など大規模工場から排出されるCO2(Carbon dioxide)を大気中に放出する前に捉えて(Capture)、地中に貯留する(Storage)技術のことだ。確かに、化石燃料を燃やすことで発生するCO2を地下に埋めてしまうことができれば、エネルギーの利用と温暖化対策の両立が可能になる。

③CCSを進めている日本CCS株式会社は、主に電力会社と日本を代表する大企業出資して作られた企業。政府からも大規模な資金援助がされている。株主一覧を貼っておく。つまり、国家的大プロジェクトである。
 株主一覧
北海道電力株式会社 東北電力株式会社 東京電力ホールディングス株式会社 中部電力株式会社 北陸電力株式会社 関西電力株式会社 中国電力株式会社 四国電力株式会社 九州電力株式会社 沖縄電力株式会社 電源開発株式会社 JFEエンジニアリング株式会社
新日鉄住金エンジニアリング株式会社 千代田化工建設株式会社
東洋エンジニアリング株式会社 日揮株式会社 国際石油開発帝石株式会社
石油資源開発株式会社 三井石油開発株式会社 出光興産株式会社
コスモ石油株式会社 JXTGエネルギー株式会社 昭和シェル石油株式会社
伊藤忠商事株式会社 住友商事株式会社 丸紅株式会社 三菱商事株式会社
JFEスチール株式会社 新日鐵住金株式会社 大阪ガス株式会社 東京ガス株式会
三菱ガス化学株式会社 三菱マテリアル株式会社 伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社
エヌケーケーシームレス鋼管株式会社

④ここからが問題なのだが、CCSの実証実験が、今行われているのは、苫小牧、北九州であり、東日本大震災で中止されたが福島いわき沖でも実証実験は行われていた。それに先立つ先行実験が新潟の長岡と、秋田県雄勝でデータ収集のためのより小規模な実験が行われていた。

⑤実験が行われた近辺で、実験から1年~数年内に、大地震が(北九州以外)もれなく起きている。
ブログ記事から引用すると
「中越地震、中越沖地震と云う二つの地震を起こした疑念のある新潟県長岡市でのCCS、岩手・宮城内陸地震を起こした疑念のある秋田県雄勝実験場でのCCS、そして東北大震災の津波災害を引き起こした可能性のある福島県いわき市沖でのCCS」
さらに引用すると
「中越地震(2004.10.23)は、圧入から(2003.7.7)1年3ヶ月後に発生し、中越沖地震(2007.7.16)は、圧入から4年後に発生しています。
トータル10,405トンを圧入して、中越地震後の2005年1月11日12時に完了となっています。
(因みに、長岡の実証試験はデータの収集が目的であり、勿来沖、苫小牧沖、などは本格事業です。勿来沖での圧入事業も、東北大震災のあと、中止され、苫小牧沖に移っています。北九州でも本格事業が進行中です。)」

⑥上記の地震に共通する特徴は、地震の揺れの加速度が非常に大きいことで、通常のプレート破壊型の地震の数倍の加速度が観測されている。(地震の波形が、地下核実験をしたときの人工地震に近いことから、陰謀論大好きな人たちの間で人工地震説が取りざたされることが多い。しかし、石田氏は、地下に水を封入した結果起きる解離水爆発による地震はこのような強い加速度の揺れが生じると主張している。)

⑦こうしたことから、石田氏は、大規模な実証実験が苫小牧で始まり、地下へのCO2封入が本格的に始まる2016年以降に大地震のリスクが高まることを、五年前に警告している。(YouTube動画あり。ただし、いろいろな陰謀論がどんどん出てくるので、見ていると信ぴょう性がどんどん落ちる、というトンデモ動画ではある。)

さて、ここから、私の感想なんですが、

 CCSの進行主体は、実に原発推進主体とほぼまるかぶりで、原発推進主犯の東電元会長勝俣氏が推進者の名前の筆頭に上がり、原発擁護論客として、NHKあさいちでイノッチにこてんぱんにされた東電出身の「竹内純子氏」(国際環境経済研究所主席研究員)が推進の旗振り役になっているあたり、なかなかいろいろありそうですが。 

 善意で解釈するならば、火力発電でCO2を大量排出する電力会社が、その社会的責任から、C02を地中処理する方法を一生懸命研究開発しているのだ、ということなのだと思うわけですが。

 しかしどうも、結果として、実証実験するたびに大地震を引き起こしている可能性が、どんどん高まっているので、これは、いったん立ち止まって、もしかしたら、善意からはじめたことだけれど、間違っていたのかも、と見直す必要がありそうだと思うのですが。

 しかし、原発推進メンバーの特徴は「自分たちは世界でいちばん頭のいいエリート集団なので、ぜったいに間違いはおかさない」「まずいことは金と権力の力で隠蔽する」「間違いは絶対に認めないし、責任も絶対認めない」という人たちですよね。
 たしかにこれだけたくんさんの死者を出した複数の大地震が、CCSの結果起きていた、なんてことになったら、だれも責任とりようがない大事件ですよね。リスクが指摘されていたのに、実験を続けたのだとしたら、責任者全員死刑かも。
(実は、国会で一度だけ、CCS実験と中越地震の関連について質問がされたようです。)

 善意からの事業、実験だとしても、ふつう地震がおきにくい場所で、大規模な地震を引き起こすリスクがCCS事業にはありそうなので、ここはメディアがきちんと取り上げて、いったん、ストップをかけた方がよさそうだと思いませんか。
(これは、私のブログを書き始めた、原発推進自体が当初は善意だったとしても、間違ったと思ったらやめた方が良い。間違えた人は責任を取るべき論と同じ立場です。)

CCSを進めている人たち、というのが確実にいて、「あっちゃー、苫小牧でも地震起こしちゃったよー」なんて思いながらも、「でもこの件は絶対に表沙汰にしてはならないし、ならないように偉い人たちが手を回すから大丈夫」なんて言いつつ、北九州のプロジェクトも止めずに進めるつもりなのでしょうか。

 次は北九州かもしれないですし、もっと怖いことには。ブログから。
「一番恐ろしいのは、千葉県の東京湾岸でもCCSが計画されていることだ。これがそのまま進行すれば、必ず東京都に大地震が発生する。」

信じる、信じないはあなた次第の都市伝説、ならいいのですが、なんか、本当にまずい感じがするので、とりあえず、紹介しておきます。

追記。今回の地震被害が、北海道の電力網を直撃、北海道最大の苫小牧の火力発電所を直撃したのが、ただの偶然ではなく、まさにそこから排出されるCO2を、地中に封入する実証実験が引き金になっていたからだ。大地震が過去に起きたことがない苫小牧で大地震が起きたのは、電力会社の実験プロジェクトのせいだから、というのは、なるほどなあ、と思ったわけです。私は純・文系の人間ですから、科学的正しさについてはわかりませんが、こういう意見と、過去の経緯(長岡実験と中越地震、福島沖の実験)があるのにメディアが完全に黙殺しているのは、何かいろいろ考えざるを得ないと思います。

AMEBLO.JP
https://ameblo.jp/docomo1923/entry-12403130850.html
『北海道大地震は5年前から警告されていた!地震原因は活断層ではなく苫小牧CCSによる誘発地震だ!』
震度7の北海道大地震の原因は、活断層が動いたからではない。原因は人為的なものだ。いわば人災ともいえる。…

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斬首考 閲読注意 画像はないけど、首切りについての話だから、いやな人は読まないで。 [閲読注意]

このひと月ほど、Beheading 首を切る、切断された頭部という言葉が、ニュースで多く扱われた時期はあまりない。
 国内の神戸女児誘拐事件、イスラーム国による欧米人ジャーナリズムの処刑映像のニュースが流れただけでなく、「ウクライナ側が、対立するドネツク義勇兵を殺害し、切断された頭部を兵士の母親あてに小包で送る、」というニュースと映像も飛び込んできた。

 私は大学時代、三島由紀夫を研究していた。もちろん文学的な関心が中心だったのだが、深く考えると、小学校一年のときに起きた三島割腹自殺、そして「生首が」という事件の印象が、三島への興味関心の根底にあったのかもしれないと、今にして思う。暴力と死に対する恐怖。理性や常識では理解できない、「首を切る」ということへの原始的な、生理的な恐怖について、私は興味があるのではないか。
 そのことになんとなく気が付いたのは、松田優作の遺作となった「ブラックレイン」の中で、主人公の同僚刑事役、アンディガルシアの首を、狂気,凶暴なヤクザである松田優作がバイクで走ってきた勢いのままま日本刀で首を刎ねる、というシーンがありそれを見たとき、なんとも言われぬいやな気分になり、それ以降の映画の印象がほとんどなくなった、ということがあったときだ。
 日本人の野蛮さ、戦後しばらく忘れていた野蛮さと狂気が、日本刀による斬首というシーンに象徴されている。そのことを見せつけられると、ものすごく、それまで感じたこともないようないやな気分がした、これはなぜだ。その問いが頭のすみにいつもこびりついていた。

 三島事件、酒鬼薔薇事件が、いつまでも繰り返し語られるのは、「首を切断する」「生首」というものがもたらす、理解できない狂気に対する恐怖と、だからこそ見たい、知りたいという抑えがたい気持ちが、いつまでも人の胸の底に残り続けているからではないのか。

 国連の決議を持たずに米国がイスラーム国を空爆することは、国際法上、明らかに違法であっても、西側諸国がそのことを容認するのには、イスラーム国による西側ジャーナリストの処刑、特に首を切断するという「残虐な」行為に対する、「放置しておけない」という気持ちが背景にあるように思う。「首を切るやつ=野蛮人、西欧的価値観を共有していないやつら、だから征伐しないといけない」という、そういう十字軍的気分がありはしないか。その気分にそのまま乗っかってしまっていいのか、ということに、違和感がここのところずっとある。

 一年ほど前、日本統治下で起きた台湾先住民による反乱を描いた映画「セデック・パレ」を見た時から考え続けているのだが。台湾先住民は伝統習俗として「首狩り」を成人儀礼として行っており、当時もその習俗は維持されていた。襲われた日本人村も、ほぼ全員首を狩られた。この映画は、まあ、びっくりするほどたくさんの人の首がポンポンと刎ねられていくのだが。彼ら首狩りを伝統として持つ原住民にとって、その殺し方は、「特別な意味」=もっとも正式で、相手に対しても敬意を持った殺し方である。日本軍が彼らを鎮圧するために毒ガスをまいたりするのだが、宗教的に神聖な「首を切る」という殺し方と、「毒ガスで殺す」という殺し方と、どちらがより「野蛮」で「残酷」なのか。というのはわからないなあ、と映画を見ながら思った。

 イスラーム国による人質の首切断処刑というのは、確かにひどく残酷で正視に堪えないものではあるけれど、ガザの子供たちを、イスラエル軍のミサイルや爆弾が無残に殺すことの残虐さと、「どちらがより非人道的化」なのか、という問いに今のところ答えはない。

 それから、話は変わるが、西欧、欧米人が、「人の首を刎ねないか」という点についても、別にそんなことはない。ウクライナでドネツク義勇軍の兵士の首を刎ねて、その母親のもとに箱詰めにして送ったのは、欧州の東端ではあるが、「NATOに入りたい、EUROに入りたい側」のウクライナ政府側のやったことだ。
 
第二次大戦中の記録を見ると、日本軍が中国で民間人も含めものすごくたくさんの人の首を日本刀で刎ねたのは事実だが、一方、アメリカ軍側も、日本兵の首を刎ね、生首を軍艦に持ち帰り、蹴って遊んだ、というような記録が残っており、戦争の狂気の中では、「首を刎ねる」ということは西洋にもつい最近まであったものだ。

現実とファンタジー映画の話をごちゃごちゃにするのもなんだが、ファンタジーの名作「指輪物語」を見ていると、「首を刎ねる」行為は、善悪両軍でたくさん出てくる。オークの軍がローハンの城を攻めたときは、討ち取ったローハンの騎士の首を投石器で城の中に投げ込む、という蛮行をした。のは「悪」の側の行為だが、「正義」側の行為としても、ドワーフとエルフの準主人公二人は、弓と斧で、オーク軍の兵士を何人討ち取ったかを競い合う中で、ドワーフは斧で敵の首をチョンチョン飛ばしている。西欧の戦争の歴史の中で「斬首」は普通の行為であり、それが減っていくのは、単に兵器が近代化したからだ。

イスラーム国というのは「過激」だとか「残酷」だとかいう以前に、原理主義=神の法に決められた通りにあらゆることをちゃんとやる国を作ろう、としている集団だと考えると、
神が定めたイスラーム法に基づいた処刑として、「残酷だから」ではなく「神の法に基づいた古典的方法で」斬首をしているのだとしたら、それを西欧の基準で「他の処刑方法より残酷だ」として、「だから空爆する、殲滅する」というのは本当に妥当なのか。ジャーナリストを処刑するのも残虐だが、空爆で民間人を巻き添えで殺すのも、同じように残虐ではないのか。

 いやいや、イスラーム国の残虐行為は、西欧人ジャーナリストだけではなく、少数民族クルド人、その中でもヤズーディーの人たちへの「男は虐殺、女性は奴隷」という点にもあるではないか、というのが、国際世論の大勢であることは私も知っている。

 ことここでわざわざ「ヤズーディー」を持ち出す、というのも、今まではなら「少数民族クルド人に対する虐殺」と言っていたところだろうが、イスラーム国領域が、あまりにクルド人地域というか「クルディスタン」と重なっているために、クルド人が、けっして少数民族などではなく、人口3000万を抱え、近代化した軍も持つ「国境で分断された民族だが、少数でも弱者でもない、中東におけるアメリカの支援を受けた集団」ということがはっきり見えちゃいそうになったから、その地域の中でも本当に少数派である「ヤズィーディーへの迫害」ということへ国際世論の焦点を持ってこなければならなくなったのか、などと邪推をしてしまう。

 私自身は首を刎ねられたくない。し、誰の首も刎ねたくない。同時に戦争で、爆撃で死にたくもない。戦争で爆弾を落としたり、マシンガンで人を撃ったりもしたくない。私の息子たちが兵隊さんになって、中東かアフリカの紛争地域に行って、治安維持の仕事をしていて、爆弾テロにあって死んだりするのもすごく嫌だな。それだけは勘弁してほしい。あー、絶対いやだ。

臆病者で怖がりなので、できれば、布団の上で老衰で、だんだん食べられなくなる、だんだん寝ている時間が増える、そして大往生、というように死ねたらと思う。でも、どんなことが人生起きるかわからない。死に方は選べない。事故や大災害で死ぬ可能性は、日本で生きている限り、常にある。

でもイスラーム国の捕虜になって首を切られるのは嫌だなあ。怖いし痛そうだし。
 
日本がもっと右傾化して、欧米人ジャーナリストを日本刀で切り殺すような事件が起きて、それへの報復で日本が空爆されて爆弾にあたって死ぬ、というのも嫌だなあ。
 中国と戦争になって、日本が占領されて、その支配に反抗するパルチザン組織が結成されて、子供たちがそういう組織の活動をして、お前、パルチザンをかくまっているだろう、と家族まるごと拷問されて殺されてしまう、というのも嫌だなあ。

 いろんなことがわからないけれど、このままいくと、そんなことが起きるんじゃないか。まさか起きない、と思っているだろうけれど、ウクライナの人たちだって、ほんの二年前までは、あんなことになるなんて、ちっとも思ってなかったと思うよ。

 そんなことをぐるぐる考えてしまうので、本当に気分が悪いんだ。

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