ニュージーランド×アイルランド戦 生観戦後の感想 Facebookから転載


10月20日 1:23 ·
ニュージーランド×アイルランド。

家に帰って、録画見直す前の、生で観た感想。いやー、おそろしいものを見た。

グループリーグの南ア×NZ戦も見ていて、あのときは、「まずまず調子を見ながらだんだん回転数を上げていって、チャンスで一気に決める」ニュージーランドだったので、「すごいなあ」は、試合の中の2割くらいの時間だったのだが。

今日は、まるで、世界のメディアが、日本のことを「NZのようなラグビーをする」などとほめたことに対して、「本物はこんなだよ」というような、異次元のラグビーを見せてくれました。とにかく、決勝トーナメントに入るとテンションが変わる、ということを、これほど強烈に見せられると、びっくり。

アイルランド(応援観客)の見せ場は、NZのハカに対抗して、アイルランド人観客が、応援歌でハカを圧倒しようとしたシーンだったのだが、それへの報復のように、今日のNZは、立ち上がりから、尋常でないテンションとスピードでアイルランドに襲い掛かった。

何より、ポイント密集ができたかな、と思ったところから、ボールが出てくる速度が速い。速いなんてものではない。

これまでこのワールドカップを見てきて、僕のからだにしみついた「あ、ポイントができた。一呼吸、次の展開を待つ、攻撃始まる」というリズムで見ていると、「一呼吸」の間に、もうボールがどこにあるのかわからなくなる。

スクラムハーフ、アーロンスミスのパスが矢のようなのは当然として、そこからつながる全部のキャッチ、パスが全部、速い。正確。パスのつながりの間にはフォワードも挟まっているのに、キャッチ、パスの精度、速度が全く落ちない。

日本もときどき、深く下げて回したり角度を変えて走りこんだりという攻撃を見せるが、あれは、わりとデザインされたプレーとして出てくる感じがするのだが、NZの場合、アンストラクチャーな状態になってから、そういう、深さや角度が複雑に組み合わされた攻撃が次々繰り出される。

アイルランドが鋭いタックルで押し返しても、チーム全体が軟体動物のように、ぐにゃりと対応して、押し戻されても攻めの形が全く崩れない。

アイルランドボールになっても、攻めが全然前に進まない。アイルランドが苦しくなってキックを蹴っても、ハイパントは全部クリーンキャッチされて鋭いカウンターになるし、ペナルティーをもらってのタッチを狙ったキックも、タップしてノータッチにされてカウンターを食う。それが怖くてその後はタッチに出す位置が浅くなって、なかなか敵陣の深くまで攻め込めない。後半の立ち上がりから半ばを過ぎるまで等、自陣を全く脱出できない時間が続いた。

あまりのことに、ものすごくたくさんいるアイルランドファンの緑のかたまりが、全然動かなくなる。

後ろの席にいるアイルランド人お兄さんが、一人、「アーイラン アーイラン」と応援の声をあげるが、唱和する人もいない。かわいそうになって、妻が、か細い小さな声で「アーイラン」と唱和しているが、アイルランドは自陣深くに押し込められて、全く敵陣に入っていけない。

妻は「ロッドマンみたい、ロッドマンみたい」と謎の感想をつぶやいている。後で意味を尋ねたところ、シカゴブルズ最強だった、ロッドマンのいた時代(ジョーダン、ピッペンの、二回目3連覇の時期)を思い出したよう。攻めても守っても、とにかくロッドマンがいて、全部リバウンドを取ってしまうように、アイルランドが何をしても、全部ニュージーランドに回収されてしまう感じが、あの最強だった、ロッドマンいたシカゴブルズを思い出させたらしい。

選手交代が大量にあった最終盤には、ニュージーランドの守りにも穴が出来て、ゴール前の粘り強い攻めで、いくつかトライを返したものの、その直後にまた、目の覚めるような圧倒的な攻撃をし返される。

ニュージーランドの全選手の、ボールハンドリングの正確さは、群を抜いていると思う。キャッチ、パス。だけでなく、タックルをするときの、相手のボールに働きかけるタックルの仕方とか、密集での球の取り方とか。あるいは、キック、ドリブルでとか。

そういう基本のレベルの違いと、集団全体が生き物のように動く感じ。攻めるときも、守るときも、並んでいるその隊列のスキのなさ、美しさ。

いやー、ほんとうに、いいものを見ました。アイルランドのみなさん、帰りの駅までの道では、静かに、おとなしくビールを飲んでいました。ちょっとかわいそうでした。

コメント欄、中学同級生、友人志村君とのやりとり。志村君は保善高校NO8だった。


志村 浩二
志村 浩二 アーロンスミスは15年大会以降からさらに、飛躍的にパスがうまくなってますよね。車の運転の上手い人を「自分の体のように」ってよく言うけど、アーロンスミスはボールを拾ってパスして、そのパスする先までが体の一部のように見えてしまいます。

原 正樹 いやもう、アーロンスミスのパスだけで何回叫んだことか。あと、ボーデンバレットのハイボールキャッチ。名人芸というか、超人技というか。

原 正樹 前回の影のMVPは、コンラッドスミスとノヌーのセンターコンビだと思うのだが、昨日のウイングの二人は、キャラとプレーが対照的で、コンラッドスミス&ノヌーのコンビに重なった。

志村 浩二 ボーデンバレットはラグビーセンスの塊ですね。マッケンジーの怪我とクルセイダースのバックス陣の絶好調ぶりがあって、今のブラックスのバックスの陣形が出来てきたんだと思いますが、ボーデンバレットをFBとして外に置いたら、あの足の速さも俄然生きてくるし、もうヤバいですね。
なるほど、コンラッドスミスとノヌーのコンビと、昨日のウィングの二人、同じようにキャラとプレーが対照的ですね。11番のジョージブリッジは、早くて強くて上手くてバランス良くて、真面目そうな古風なラガーマンって感じで、ファンになりました。


原 正樹 ジョージブリッジ、僕もお気に入りになりました。


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