佐藤琢磨 インディ500 2度目の優勝 感想、記録 [スポーツ理論・スポーツ批評]

インディ500、アメリカのインディカーレースはオーバル(楕円)ぐるぐるなので、どちらかというとF1を見慣れているので、どこを楽しむのか難しいのだが、
そんな僕でも、今回のレースは、展開として、ドラマチックで面白かった。

 今季、インディカーシリーズランキング、ぶっちぎりトップのディクソンが先行し、ロッシがピット五回作戦がハマればロッシが有利か。このディクソンとロッシが、燃費など気にして、二人で一位二位を毎周回ごとに交代する(わざと)という展開が続き、琢磨はそのすぐ後ろ、三位で最終ピット後最後30周の勝負に備える、という中盤の展開。

 と思ったら、イエローフラッグで、120週目、ピットにみんな入ったときに、ロッシがピットアウトで琢磨を邪魔して接触、ペナルティで最後尾に脱落。

 最終ピット終了後の残り30周、あとはガチでディクソンと琢磨の一騎打ち、最終ピット両者終了時点ではディクソンがリードするが、残り27周で琢磨がディクソンをぶち抜く。このままリードを保ってくれー、と実況アナも解説中野さんも声が出なくなる。リードを何もトラブルなく保ち続けるには、残り周回、ちょっと長すぎる。

 チームメイト、レイホールも速くて、三位。最後、ディクソンをレイホールがかわせば、チームメイト同士の勝負になるかも。周回遅れ三台が間に挟まりながら、佐藤とディクソンも、タイヤが苦しいのか、どちらも苦しそう。もう見ている方も緊張も限界、という残り五周、

 後ろの方で、スペンサーピゴットが大クラッシュ、イエローフラッグで追い越し禁止のまま周回は進むことになり、そのまま琢磨優勝。最後、ちゃんとレースが継続展開したままで勝利、と終わればなお良かったが。

 もし。、このクラッシュでレッドフラッグがでていれば、一旦、そこでラップを数えるのは中断。(そのまま終了の可能性もあり、逆に、残り周回五周で再開の可能性もあった。)

 ライバルのディクソンは、勝った佐藤を讃えつつも、「レッドフラッグが出ると思った。最後の五周、再開して勝負したかった」という意味のことをインタビューで答えていて、その気持ちもわかる。レース中、ほとんどの周回、ディクソンがトップを走っていたのだし。今季ずっと好調だったし。

 しかしまあ、インディで二回優勝というのは、テニスのグランドスラム、全米オープンとか、アメリカで行われるゴルフのメジャー大会どれかに二回、勝つようなもの。メジャーな個人スポーツで、ここまでの偉業を成し遂げた日本人はいない。F1と較べると日本では扱いが小さいし、どう比較していいのか難しいのは確かだが。少なくとも、アメリカでレジェンドになったこと間違いない。
 
追記
 モータースポーツって、まずチームがどういうマシンを仕上げるか(予選向けと、本番用に)、レースに対して、タイヤ、燃費、ピット戦略をどう立てるか、必ずレース中起きるイエローフラッグ、レッドフラッグにどう対応するかという、チームとしての知的戦略スポーツで、ドライバーは超高速の、相手ドライバーとの駆け引きレースと共に、そういう高度な戦略駆け引きを実践実行する、という役割を担って戦っている。その全体を楽しむ、という意味では、「必ずクラッシュが起きて非常事態が何度か起きる」オーバル超高速レースが、F1より単調かというと、決してそういうことではないのだよなあ、ということを認識しながら見ていました
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