コパアメリカ開幕記念、南米中堅国、内弁慶と南米の歴史について [スポーツ理論・スポーツ批評]

今回は日本代表が参戦することで注目を集めているコパアメリカですが、私、個人的には、ユーロとコパはワールドカップより試合のレベルが平均して高い、面白い大会と位置付けています。

ユーロは「ひとつも弱いチームがない」ということなんですが、コパアメリカは「南米の田舎の国、地元ではすごく強い」大会、というのが、面白いんですね。

田舎の国、というと、すんごい差別発言のようですが、南米の国というのは、ワールドカップでも、主催国・会場が南米(北中米含め)でやる大会は強い、ヨーロッパでやる大会は弱い、という基本傾向があります。

南米の国が、欧州開催のワールドカップで優勝したのは1958年大会のブラジルの一回だけ。あとは全部欧州の国が優勝しています。
逆に、南米の国が、南米開催のワールドカップで優勝を逃したのは、この前のブラジル大会でドイツに優勝されちゃった一回だけ。
USA大会・メキシコ大会、アメリカの属国・日韓大会、優勝はブラジル・アルゼンチン・ブラジル、南米の国なんです。

要するに、南米の国は、欧州では力を発揮しにくい、ということか。

ブラジル、アルゼンチンのような強国でさえそうなので、チリ・パラグアイ・ペルーあたりの中堅国は、ワールドカップでは、なかなか上まではいかない。せいぜいベスト16くらいなわけ。しかし、こうした南米中堅国が、コパアメリカでは強い。ワールドカップ南米予選で、アルゼンチンやブラジルが苦しむことがよくありますが、なるほど、こういうことか、と思います。

南米の国というのは、征服者スペイン人など欧州系の末裔、被征服者インカ帝国住民や原住民の末裔、奴隷として連れてこられたアフリカ系の人の末裔、その混血、という人種民族構成におよそなっている。
 アルゼンチンなんかは、19世紀に「白人国家化」という国家政策がとられ、さらに欧州白人の移民をどんどん入れたので、白人比率が非常に高い、ウルグアイも、白人比率の高い国である。「南米の中の欧州」的意識が高い。
 
 ブラジルの成り立ち、ポルトガルのブラジル植民では、原住民は狩猟採集生活の原住民しかいなかったところを一気に征服したので、インカ帝国を滅ぼされて征服された末裔の国々とは、国民意識のありようが他とずいぶん違うようである。白人黒人原住民の混血が進んでいるし、人種差別もそんなにない。

 サッカーの「内弁慶」度合いで言うと、インカ末裔系の住民比率が高い国の、内弁慶度が高いように思われる。ペルー、チリ、ボリビアあたり。パラグアイはインカ帝国勢力圏外だったけれど、パラグアイも原住民比率は高い。

 南米の歴史の中での、ヨーロッパとの心理的距離が遠い、あるいは「征服-被征服」という歴史的背景が色濃く国民意識に残る国ほど、内弁慶度が高くなるのかなあ、というようなことを、いろいろ考えたりする。

 ブラジル×ボリビア戦の、ボリビア選手を見ながら、そんなことも考えたりします。
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