CCSの圧入地点深度は3000m、地震の震源は37キロ、水平距離的にも20キロくらい離れている、だからデマなのか。 [文学中年的、考えすぎ的、]

CCSと苫小牧地震の関連について、真面目な人たちが
「胆振東部地震北海道大地震を人為だと言っているモノへ
CCSは地下3000mで行うものです。
地下3000mには泥の層が有るのみで、断層はありません。
都市伝説を信じるのはやめましょう。
今回の地震は地下30kmが震源と発表されたのを思い出しましょう。」
「2〜3kmと37kmじゃ全然違うし、その間に泥岩の遮蔽層まであるのに、どうやってCO2が浸透すんねん!しかも気体が液体と混合したからってすぐさま地下に向かうんか!地球物理学なめんなよ!!アホ抜かしやがって!!」
とツイートして、デマ、都市伝説だ、と警告するツイートをしていますが、
さらに真面目な私は、五年前に警告していた石井昭氏の著書
『「地震学」と「火山学」―ここが間違っている 「地震」も「火山」も「マグマ」が引き起こす爆発だ! 』単行本 – 2014/12/17石田 昭 (著)をAmazonでポチって、すでに読んでみたのである。(もう何冊か注文したが、まだ来ていない。)
 地下で圧がかかった地下水は、上から押されるとトコロテン式に移動するので、注入する地点そのものが震源になるわけではない。というのが著者の理論。長岡市のCCSは1100m、わずか1キロのところに注入して、震源の深さは、中越地震が深さ13キロ、中越沖地震が深さ17キロ、水平距離でも20キロ離れた地点で地震が起きています。
 秋田雄勝の実験場と、宮城岩手内陸地震の震源の距離も27キロ離れています。
CCSを進めている「RITE(地球環境産業技術研究機構)」の責任者と著者は直接議論していますが、担当者は、圧入している層は不透過層(気体も液体も通さない)に上下を挟まれているので、地下水をトコロテン式に押ない、という立場をとっており、だから安全という主張ですが、筆者は、注入したCO2に対して、回収率される地下水の量が少ない=回収率が低いことから、どこかにトコロテン式に深部まで圧がかかって地下水が移動していく、と考えています。
 そして、「海外ではCCSは安全」というのは、火山国でないところでは、地下マグマの深度が十分深いので、地下に圧がかかって移動した水が、解離(水素・酸素に分離イオン化)するリスクが低いが、日本のような火山国では、たいてい活火山がすぐ近くにあり(苫小牧ではすぐ近くに樽前山がある。)解離水爆発が生じやすい、ということです。

 著者はまた、「断層に水がしみ込むから地震が起きる」などと主張しているのではなく、これは因果関係が逆だと主張しています。解離ガス爆発で地震が起きた結果として断層が生じる、という主張です。(爆発の方向により、断層の種類が変わる)。よって「地下3000mに断層なんて無いから、デマ」という反論は、まるでピント外れ、ということになります。

 くりかえしになりますが、科学的正しさについては、私には分からないです。が、状況証拠的に、CCS実験をした付近で、実験開始から1~4年程度の間に、加速度が非常に大きい地震がもれなく生じている。 (岩手宮城内陸地震は4022ガルでギネス記録に認定されたそうです。中越も中越沖も、苫小牧の地震も、1500ガル前後という加速度。ちなみに阪神淡路大地震が800ガル程度。) ということを考えると、メカニズムがすべてこの著者の言う通りかどうかはわからないが、なんらかの因果関係を疑って、CSS事業は一度見直す、いったん停止するのが良いというのが、私の意見です。
実験地点と震源地の距離や深さ関係も、深さ、水平距離とも20~30キロ程度離れているパターンのようなので、これは、地下水の解離は、注入地点から、その程度の距離までトコロテン式におされたところで起きる、ということのようです。
 むきになって否定する人は、「メカニズム、因果関係が解明されていない」ことと、「因果関係が無いこと」の区別がついていないようで、その方が非科学的態度です。相手の主張や、共通の現象を調べもしらないで、自分の狭い知識や先入観で、「都市伝説」「デマ」と決めつける態度、原発推進派の、原発事故直後の「ストロンチウムやプルトニウムは重たいから飛ばない」を思い出させますね。(後に横浜の中学校屋上で福島由来のストロンチウムが高濃度で発見されている。)
 セシウムボールと原発事故直後の鼻血、内部被ばくの関係も、事故後何年もたってからわかってきたことで、当時は薄らバカな放射線専門家や医師たちが、「福島事故程度の放射性物質の拡散と線量で鼻血なんか出るわけがない(骨髄造血作用被爆影響からの鼻血しか連想できなかった)と」と、鼻血が出たことを不安視した人たちの声をデマ扱いしたことを思い出させます。
 追記
直接利害関係ないのに、いきなり信じる人も、いきなりデマだと決めつける人も、おんなじくらいおバカだと思う。調べる学習する、科学的議論だけでなく、賛成反対の人の、政治的経済的利害関係を読む。それから、学会の主導権争い、権威主義というようなことも、考慮に入れた方が良い。学会傍流であるがゆえに、一部真実を含んでいるのに弾圧されて、社会にとっては不利益になること、がよく起きる。(医学の世界での丸山ワクチンとか)、 そうした検討の後に、態度を決めた方が良い。経験的に「視野の狭い理系専門家」は、たいていいきなりデマだと否定する。それから、現政権や経済界と利益を共通にする人も、「デマ」と否定する。反政権的傾向を持つ人は、割と信じやすい。しかし、結局、こういうことは「科学的真実は、当分はわからない」。その議論をしている間も。事態は進む。やるべきことは「態度を決める」こと。科学的真実はわからないけれど、「やめた方がいいんじゃないか」というのが僕の今のところの判断かな。もう少し考える。

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